【書評】御社の商品が売れない本当の理由 「実践マーケティング」による解決 鈴木隆著
こんにちは、ドロンパ院長です。
今年は『マーケティングを勉強する年』に目標を設定しました。
とりあえず50冊のインプット。
その中で手に取った本です。
20字でまとめると・・・
机上と行動経済学をミックスしてテストせよ
マーケティングの目的は利益ではない
まずは定義付け。
ドラッカーいわく、『事業の目的は利益ではなく、顧客の創造と維持』
利益は結果でしかない。
マーケティングの目的は、『売れる仕組みをつくること』
ドラッカーは「経営とは、マーケティングとイノベーションである」と言った。イノベーションとは商品の創造である。
マーケティングは、売り込みを不要にすること。セールスとマーケティングはアメリカでは反意語。しかしながら、マーケティングとセールスはどっちにかたよっているかで、どちらか一方がなくなるということではない。
マーケティングの中のステップにセールスがある。
ニーズとウォンツ
顕在化ニーズに対しての商品を当てるから、熾烈な競合になる。
潜在ニーズを掘り起こすこと。その中でもウォンツもニーズも高ければよく売れる。
例)ダイヤモンドはニーズは低いがウォンツは高い。
人は商品を買うのではない、商品の恩恵を買うのである
便益のこと。ドリルの穴的なはなし。
工場では化粧品をつくって、現場では希望を売る。(これを使えばきれいになれる!)
メーカーが売るのはドレスではなく流行である、などなど。
一労働者であれば、こんなことは考えなくてもいいが、経営者やマーケティング担当者は考えなくてはいけない。
サービスでもテストが重要
製造なら試作品をつくる。
売り方も仮説とともに試作品(試作売り方)をつくってやってみる。
ペルソナを設定し、ほかはばっさりと消し去ること。選択と集中。
残念なことに、よければ売れるというわけではない。この呪縛から逃れることが重要。
その分野でのベストよりもファーストであると認識されるポジショニング
リクルートはファーストをとることに命をかけている。「バイトするならタウンワーク」とか。キャッチで一番をとる。
そういえば求人営業マン時代も「求人ってのは、人がやめたときか増員するときしか発生しない。だからその時になった瞬間に営業マンをことを思い出してもらえるようにしろ」とよく言われていた。まさにこれがファースト。
戦略がなければ無謀、戦術がなければ無力
山登りに例えると、戦略は「富士山に登る」、戦術は「どのルートでいくか?」
従来の管理マーケティングにプラスしたい10要素
- プライミング効果 先行する刺激
- 認知容易性 繰り返し接触
- ハロー効果
- アンカリング効果 最初の印象に引きずられる
- 利用可能性ヒューリスティック
- 代表性ヒューリスティック その事例を典型的だと思わせる
- 感情ヒューリスティック 好きな商品のメリットは課題評価
- フレーミング効果 表記の仕方
- プロスペクト理論 利益よりも損失を避ける
- ピークエンド効果 終わりよければ全てよし
マーケティング4.0との関係
職場で話題にしてもらう。話のネタにしてもらう。会話を発生させる。
ちょうどコトラーのマーケティング4.0を同時並行して読んでいたので、容易に理解がすすんだ。
筆者は若干コトラーを否定気味?な気がする。机上の空論として。実際には「ホームプロ」というサイトを成長させた実績もあるし、その中で悩んで実践してきた実例や、他社の実例も豊富にある。