狩野一峰の思考錯誤

言いたいことも言えないこんな世の中だからこそあえて本名で

子供が観る映画じゃない気がする。ドラえもんのび太の『魔界大冒険』

こんにちは、花粉症で全てのやる気を失っているドロンパ院長です。

この記事では引き続きドラえもんの映画版の考察をしていきます。

 

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今回は『のび太の魔界大冒険』です。

まずはあらすじを。

ここ数日の間ぼんやり空想に耽っていたのび太は、静香とドラえもんに魔法への憧れを打ち明ける。2人はまるで本気にせず、出木杉にも相談したものの、過去に魔法は学問として確立していたが、悪魔の力を借りる法として魔女狩りの対象にされたり、一方で科学が発達したことにより魔法が廃れたことを教えられたにも関わらず、のび太はその夢を諦めきれない。そんなのび太はふと、ドラえもんのひみつ道具「もしもボックス」で、魔法の世界を実現させることにした。

しかし実現した「魔法の世界」は、のび太の期待と想像とは程遠く、魔法を学ぶために学校教育を受けねばならず、魔法のじゅうたんを操るには免許と高額のじゅうたんが必要となるような、いわば文明の礎が科学から魔法にそっくりそのまま摺り替わっただけの代物だった。結局、現実世界と変わらず魔法世界でも落ちこぼれてしまったのび太は、すっかり落胆する。

だが、この世界でもジャイアンスネ夫に馬鹿にされると、せめて簡単な魔法の1つでも覚えてから元の世界に戻そうと意気込む。ドラえもんもそんなのび太の心意気を買って必死に応援するが、その矢先に地震が発生した。静香によれば頻発する地震は魔界接近説という、ある魔学博士の仮説と関係しているというのだ。

そんなある日、のび太は山で満月博士というまさに魔界接近説を提唱していた張本人と出会う。博士の研究によれば、現在、魔界の悪魔たちが地球の侵略を企てており、このままでは想像を絶する魔力をもつ悪魔たちに人類は滅ぼされてしまう。そして、今世界に迫っている地震や巨大台風はその前兆だという。あまりに殺伐とした世界にドラえもんとのび太は元の世界に戻そうとしたが、もしもボックスはママによって捨てられてしまっており、回収を試みるも結局は手元に戻らず、2人は責任を押し付け合った末に仲違いをする。

その後和解して、2人は再び満月博士の家を訪れて詳しく話を聞こうとする。だが、博士の家は跡形も無く消えており、1匹の野良猫だけが佇んでいた。実はその猫こそ博士の愛娘、美夜子であり、悪魔の魔法によって変えられた姿であった。

幸い、月の光を浴びている間はその魔法が解かれるという。その間に美夜子は、2人に一緒に魔界に乗り込んで欲しいと懇願する。そして、水晶玉の占いによると魔王を倒す勇士はドラえもん、のび太、しずかスネ夫ジャイアンの5人なのだと告げた。5人は一度はためらうもやがて美夜子と共に魔界へ乗り込むことを決意し、大魔王デマオンとその手下に戦いを挑む。

ドラえもん のび太の魔界大冒険 - Wikipedia

チンカラホイという呪文

魔法はこの「チンカラホイ」という言葉で発動する。

空を飛びたければほうきにまたがって「チンカラホイ」

火をつけたければコンロに向かって「チンカラホイ」

このチンカラホイという単語にものすごく昭和を感じる。

魔法の世界になってものび太はイケてない

元々はのび太がダメダメな現代が嫌になって、ドラえもんのもしもボックスという道具で「魔法の世界」を現実にする。この世が機械やコンピューターの文明ではなく、魔法が発達したというもしもの世界である。

魔法の世界とは何でも魔法。機械じゃないので、移動手段は車ではなくほうき。ほうき二人乗りのタクシーだってある。

学校の勉強も化学とかの代わりに魔法。実技もあり、結局のび太はやはりダメな成績。ほうきに乗って空を自由に飛ぶ「ホーキング」の基礎もできない。

よく考えてみたんだが、こののび太に似たようなことを子供の頃に思っていたことがある。

それはテレビゲームをずっと永遠にやって生きていけたらいいのに!というものだった。当時はずーっとゲームをしていても他に宿題やらご飯を食べろやらいろんなことで中断されてしまう。ずっと集中してゲームしてたいのに!と思っていたが、よく考えてみた。

例えばゲームが授業に組み込まれた場合。国語・算数・社会・理科・ゲーム。当然授業の一貫なのでテストもあるし優劣もつく。こうなったらやはりゲーム嫌いの子供も多くでてくるんではないかと。人間やっぱり強制的に何かをさせるというのは一番しんどい。ゲームが得意でずーとやってても苦にならない人なら好成績だろうが、ゲームが苦手な人とかは絶対に不得意教科になるに違いない。

美夜子がエスパー真美にしか見えない 

エスパー真美とは、藤子不二雄大先生の別漫画である。中学生ぐらいの主人公が真美。謎の友人が高畑さん。

そのころの漫画というのはエスパーとか魔女とかそういう系のがそれほどなかったような気がする。サリーちゃんは魔法使いやけど、ひみつのアッコちゃんはどうなのか。

というわけで美人さや活発さなども含めて美夜子さんがエスパー真美にしか見えない。ちなみに美夜子さんのお父さんは満月博士という。大魔王を研究しまくっていたせいでとらえられてしまった。

やはり怖い、という思い出がある

ドラえもんとのび太が、敵のメデューサによって石にされてしまう。しかもその石になっているのは何か恐ろしいものを見てしまった瞬間の表情のままである。その石が移動したりなんかして、時空を時間軸で言うと過去のドラえもんたちが石になった自分を見つける。

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ドラえもんのび太の魔界大冒険

子供のころはこれがとにかく怖かった。

恐ろしい表情をした自分の石が突然現れたらどうだろうか?自分ならビビって腰を抜かすに違いない。

このシーンに加え、石ころ帽子という自分の姿が見えなくなる道具を使って、敵の本拠地に乗り込むシーンがある。しゃべったらバレるので、何もないように本拠地に向かうが、みんながいるかどうかわからない状態でいくことになる不安。そして案の定はぐれてしまうのび太。まわりには骨が転がっていたりする荒野。恐ろしすぎる。子供のころの私はこれで孤独の恐ろしさを学んだ。

最後はやはりジャイアンが大活躍

大魔王デマオンというのがいわゆるラスボス。デマオンの弱点は心臓で、そこに特別なダーツを刺すことで倒すことができる。しかしいくら投げてもデマオンには効きもしない。そんなこんなで一度破れて負けてしまう。

結局デマオンの弱点である心臓はどこか別のところにあるという鬼畜な設定。それはとある星であるという恐ろしい設定。魔法の絨毯に乗って宇宙をさまよい、ようやくデマオンの心臓である星を見つける。

 

 

ドラえもん「あとダーツは一発しかない。失敗できないぞ!」

ジャイアン「俺にまかせろ!」

 

 

といって最後のダーツをぶん投げる。

みごとなクリティカルヒット。

ジャイアンの天才的コントロールのおかげで地球を救うことができた。いや、こりゃドラフト1位やろ。

まとめ

帽子の星の数で魔物のランキングが決まるとか、色んな面白い要素がたっぷりつまっている。

魔法の世界なのでドラえもんの道具で乗り切る!というよりは人間臭さが非常に感じられる作品。超名作です。名作だけにドラえもんの映画でも一発目にリメイクされた作品でした。リメイク版も見たけど、やっぱり恐ろしさみたいなのが緩和されてるような気がしました。

ドラえもんを大画面のテレビで観るなら、これがあれば最高です。