【書評】子どもの脳を傷つける親たち 友田 明美著
こんにちは、ドロンパ院長です。
ビジネス書はかなりの数を読んできたが、子育て本は超初心者。初心者でも読みやすそうだったので選んだ。
ざっくり20文字で要約すると・・・
成長期や虐待の種類で、脳の損傷部位が違う
ということです。
小児精神科医の先生が書いた著書で、アダルトチルドレンのような考え方とはまた別の内容。
自分自身が子育て中なので、おおいに参考になった。
なんとなーく、「虐待を受けた子供は大人になってもトラウマが残る」的な理解ではいたけど、それがきれいに整理された。
脳にとって、外部からの刺激がとても重要な時期
胎児期、乳幼児期、思春期が、脳の外部からの刺激がとてつもなく重要になる。
子供の減少に比例しない虐待数
心理的虐待51.5%、身体的虐待26.0%、ネグレクト21.1%、性的虐待1.3%
厚労省調べ 平成28年
確かに子どもの数は減っているだろうが、虐待はうなぎのぼりに増えているらしい。昔は虐待に当たらなかったこと、や、昔ならニュースにもなっていなかったことも含め、現在のSNS等の情報共有手段の進化によって、虐待が明るみになりやすいというのもあるだろう。しかし純粋に増えているのかどうかと言われれな増えてるのかな・・・。
ちなみに虐待の定義はは上の4つ。
心理的虐待っていうのがよくわからなかったけど、言葉の暴力などを指すらしい。
子どもが傷つく行為はすべてマルトリートメント
マルトリートメントという言葉も初めて聞いた。
子どもが嫌だと思えば「すべてマルトリートメント」ということで、セクハラやパワハラにも似たような概念かと思った。
体罰はしつけなのか
著者が言うには、身体的虐待(体罰)をしている親は決まって二つのことを言うらしい。
- 子供を思うあまりたたいた
- それほど強くたたいたわけではなかった
親にとっては、とっさに手が出てしまったというシーンもあるだろう。「とっさに」でた手というのは、子どもにとってはキツイ。
著者は『体罰は百害あって一利無し』と言っている。
どうしてもガンダムのブライトさんの名言がでてきてしまう。
「殴られもせずに一人前になったヤツがどこにいるものか!」
この本では、殴られて健康的に育つ子はいないということだ。
現代だからこそ気を付けたいこと
家事や仕事メールの返信は明日でもできるが、1日1日変化をしている子供の成長の瞬間は二度とみることはできない。
そりゃその通りである。とくにスマホゲームなんていつでもできる。
私も一つだけスマホゲームをしつこくやっている。だが最近はログインだけしてる状態だ。
積極的に使いたい三つのコミュニケーション
- 繰り返す オウム返し的
- 行動を言葉にする ○○してるんだね!
- 具体的に褒める 行動そのものや姿をほめる
避けたい三つのコミュニケーション
- 命令や指示 「提案」しよう
- 不必要な質問
- 禁止や否定的な表現 ○○はダメ、とか
気になったフレーズなど
- スキンシップは神
- イヤイヤ期は見守りが大事。やりたいようにさせる
- 愛着障害はすべてのモチベーションをさげる
- 代理ミュンヒハウゼン症候群←わざと子どもを病気にさせて、「看病してる大変な親」を演じる病気
- 子どもは親からの評価があってこそ健やかに育つ。
全体的に知らない世界の本であり、ものすごくためになった。
三つ子の魂100まで、という言葉もあるように、昔から経験則で子育て論はあった。しかし科学的に、また小児精神科医という、症例がたくさん見れる著者が書いているから説得力が爆発的にちがう。
子育て中の人には必読書と言える!