【書評】FACTFULNESS ハンス・ロスリング著
こんにちは、ドロンパ院長です。
話題の本を遅ればせすぎながら読んでみました。最初はどういう内容なのかなーと思ってたけども、途中からは「そりゃ話題になるわ!」と思いながら読んでました。
20字でまとめると
本能は誤解しやすいので注意すること
ドラマチックすぎる世界の見方
世界では戦争能力、自然災害、人災腐敗が絶えずどんどん物騒になっている。金持ちはより一層金持ちになり、貧乏人はより一層貧乏になり、貧困も増え続ける一方だ。何もしなければ天然資源ももうすぐつきてしまう。
こう思っていないだろうか?いや、私はまさしくこう思っていたが、どうやらそうどえもないみたい。
こうなってしまっているのは、知識のアップデートをしてないから
分断本能はタチが悪い
金持ちと貧乏、とか、あっちの国の人とこっちとか。
まず2種類に分けてしまうと、本質が見えなくなる。
人間は極端な話に興味を持ちやすいし、極端な話の方が記憶に残りやすい。
なぜなら分断本能を刺激するから。
分断本能にまどわされないための3つ
- 平均の比較に注意 マジョリティはどこにいる??
- 極端な数字の比較に注意 最上と最下とか
- 上からの景色である 高いところから低いところを正確に見るのは難しい。
ネガティブ本能
ものごとのポジティブな面よりも、ネガティブな面に気づきやすいという本能のこと。それを刺激する要因は3つ
- あやふやな過去の記憶
- ジャーナリストや活動家による偏った報道
- 状況が「以前に比べたら良くなっている」と言いづらい空気
ネガティブ本能を抑えるのは
頭の中に悪くなっているのと良くなっている、という2つの考え方を同時に持つようにする。
人は過去を美化したがり、国家は歴史を美化したがる。
多くのデータは直線にはならない。S字や滑り台の形、突然倍増する形の方が当てはまる。直線本能は抑えること。
関心フィルター
私達はどんな情報をどんな基準で選んでるんだろうか?
おそらく人の頭の中に一番すんなり入ってくるのは、物語形式で伝えられる情報だ。そして、その情報は他の情報に比べてドラマチックに聞こえやすい。
だから安心フィルターというものがある。いわば防御壁のようなもので、世界のさまざまな雑音から自分を守ってくれる。しかし、この関心フィルターには10個の穴があいている。それぞれの穴は、この本ででてくる10個の本能の穴と対応する。
恐怖本能の中の3つ
身体的な危害
拘束、毒を恐れる
過大視本能を抑えるテクニック二つ
- 数字を比べる何か重大な勘違いをしないために、最も大切なのは一つの数字だけに注目しないこと。何か比較出来るの数字を探す。 不思議なことにある程度桁の数が増えると、他の数字と比較しない限り、どんな数字でも大きく見える。すごく重要そうに見えてくる。
- 80対20の法則を使う。 数字の項目が多く並んでいたら、まずは最も大きな項目だけに注目する。それが80なのか20なのかを見分ける。
パターン化本能
ひとつの例が全てに当てはまるという思い込み
過半数に気をつける。51%か99%かわからない。でも過半数と言われたら、「ほとんどがそうなのかな」と思ってしまう。
自分が普通で、自分以外はアホだと思うことがアホ。謙虚になって考えよう。
ひとつの集団であてはまる例を、他の集団であてはめてないか?
宿命本能
価値観はいくらでも変わる。ゆっくりとした変化でも、着実に変わっている。
知識のアップデートは必ず行うこと。知識には賞味期限がある。特にテクノロジー、国、社会、文化、宗教はすぐ変わる。
30年前ぐらいの出版物を読んだり、おじいちゃんおばあちゃんに話を聞けば、価値観が変わってることに気づける。
単純化本能
シンプルなものの見方だけになると、単純すぎる考え方になってしまう。平等という考えになれば、格差がすべての問題の元凶となってしまう。
自分の考えが正しいという例ばかり集めてはダメ。意見の合わない人に検証してもらおう。
単純すぎるものの見方と、単純な答えには警戒しよう。
犯人探し本能
誰かを責めれば物事は解決するという思い込み。単純な理由を見つけたいから。
うまくいかなかったら、犯人ではなく原因を探そう。誰かが仕掛けなくても、悪いことは起こる。複数の原因やシステムを理解しよう。
ヒーローではなく、仕組みに目を向けよう。
焦り本能
今すぐ手を打たないと大変なことになるという思い込み。
本日限定セールとか。深呼吸しよう、データを見よう、占い師に気をつけよう。
乳児死亡率は社会の体温。
さすがに話題の本だけあってものすごく勉強になった。常に意識するのは難しいとは思うが、いろいろな物事を正しい視点で見れるようになりたい。