【書評】 独学術 白取春彦著
こんにちは、ドロンパ院長です。
最近本を読みまくりすぎて、実行する時間がなくなってきました。これではただの「本や知識のコレクター」になってしまうので懸念中。
本も読みまくって、実行もしまくってる人は一体どうなってるんやろか。
今回の書評は、独学のマニュアル本。
生涯学習は当たり前の時代で、もはや生涯現役も当たり前の時代になりそうです。そんなことを思いながら手に取った本。
20文字で要約すると・・・
独学への姿勢・考え方を身につける為の本
独自に新しく考えることが最終目的
独学というものの、独学の定義とは、標題の通りである。
歴史であれば、年号ではなく、なぜそうなったのか?自分独自の考えをもつこと。
有名な映画のグッドウィルハンティングでも、主人公がハーバード大生に対して叫んでいた。
「教科書にある知識を暗記することが一流大学の証拠かよ。俺は大学には入学してないが、自分の頭で考えてる!」
いつから、始まったのか?
これは魔法の質問である。
理解できないことや、なにかの物事の起源を探るというものだ。行き詰ったら、この質問と調べた回答で脱出できるかもしれない。
カントと一般人の違い
カントとは哲学者である。
哲学者とは、ものごとを考えに考え抜く職業だ。と勝手に思っている。たとえば、りんごは赤いが、なぜ赤いのか、というのを永遠に考えるような人たちのことだ。一般人であれば、りんごが赤いのは、りんごが持つ色素のせいだ、と言われればそこまでだろう。しかし哲学者は違う。そこから、なぜりんごが持つ色素は赤なのか?てな具合に、子供の「なんで攻撃」のように永遠に答えがでない遊びのようなことをしている。
そんなカントと一般人との違いは「人間は全て一緒」だというのが大前提だという。
つまり、超常現象的なものに逃げないということらしい。
誰かになにか良いことがあったら「あの人はラッキーだから」「幸運の持ち主だから」と考えない、ということである。
頭がかたいと言われたらそこまでかもしれないが、そこまで考え抜け!ということである。
読書とは、頭の中の映像を見ること
難しい本を読んでいると、ただ文字を追っているだけのような状態になっていることがある。これではダメだ。
読書というのは、文字を読むけれど、その文字を脳内で映像に変換できなければいけない。
もし、わからないことがあれば詳細に確認する。すると映像化される。
小説なんかは、その世界に入り込むと、まるで自分が体験しているような錯覚を受けることがある。
もちろん文章の上手い下手はあると思うが、どんな本であれ、理解しているかどうかの目安は映像化だ。
こう考えると、何かを習得するときに、文字メディアの本よりも、youtubeの動画のほうが効果的に学習できる気がする。というか実際そうなんだろう。
多読のススメ
多読すると、その項目についての理解が深まる。1テーマについて、中級ぐらいになろうと思えば、50冊は読みこまなければいけない。その中に元ネタとなるようなバイブルも当然含む。
なにかのジャンルを勉強したいと思うなら、まずは50冊を読むことを目安とする。
歴史ですらもフィクション
なにを言っているのか最初は意味がわからなかったが、こういうことだ。
つまり、歴史の資料というのは「当時の人が見たまんまを描写した」ものと「当時の状況を祖先たちが物語とか資料にしたもの」の二つに分類される。
後者はいわずもがな、完全にフィクションである。おじいちゃんの昔話とかから推測して書いた文章もあると思う。
前者は限りなく事実に近いだろうが、出版?の自由なんて昔にはなかったから、着色されてたりするに決まってる。
これらのことから、「歴史ですらもフィクション」というのも、うまく的を得ているような気がする。
しかし、そんなフィクションな歴史でも、ことに日本史においては、唯一ともいうべき「客観的に見た事実」が書かれている歴史書があるらしい。
ルイスフロイスの日本の記録
フロイスなんてのは、歴史の教科書で一つの単語として覚えたぐらいの記憶しかない。しかしフロイスの著書はメチャメチャおもしろいらしい。
というのも「日本の人々は、犬や牛を殺すのには青ざめるが、人を斬ることに関しては全く青ざめない」というようなことも書かれているらしい。当時の日本を知るためには必読書と言える。
世界を理解するために聖書を読め!
キリスト教はあらゆる原典。キリスト教を学ばなければ、世界は理解できない。
コーラン、ハディース、スッタニパータ、正法眼庫、タルムードなど、他の宗教の聖典というのは山ほどあるが、すべて聖書にたいする解釈の書物といってもいいだろう。
だから聖書以外の宗教書はかじる程度でOK。
ユダヤ人なんかは、タルムードに対してツッコミを入れたり、解釈をいろいろすると聞いたことがあるが、なるほど確かに世界を理解するためには「聖書の解釈所」であるタルムードを理解してるから頭が良いのかな、と思ってしまう。
独学というより、独学に対する姿勢を書いた本。
とりあえず聖書を読むことからはじめてみようと思った。