ブラック企業になってる理由、ホワイト企業になってる理由。
こんにちは、実家の自転車を借りたら空気が完全に抜けててほぼホイールで10分ぐらい走ったらロードバイクで1時間走ったぐらいしんどかったのとそれと同じぐらい筋肉を使ったという実感があったドロンパ院長です。大腿四頭筋が痛い。
今日は真面目な経営の話。かたい。
今まで様々な企業の人材コンサルティングを行なってきました。といっても人材コンサルティングとは言うものの、やはり仲良くなった社長は人材以外のことも聞いてきます。資金調達とか営業とか経営には様々な項目がありますが、その中で一番多い相談はコストダウンの話です。何かの商品を作って売る場合様々な経費がかかってきます。サービスを提供している企業なんかだと経費に対する人件費の割合が高くなります。
■経費を下げる
その経費をいかに下げつつも品質を保つか、ということが重要になってきます。
もちろん商品を安くすれば、その商品を買う層も増えるので安く売るためには更なるコストダウンが重要になります。
■例えば
ペットボトルのお茶。この単純なものに様々な製品が使われています。
- お茶本体(液体)
- 容器
- ふた
- ラベル
また、これを我々の手元に届けるまでに
- 生産
- 配送
- 販売
といったような工程に分かれます。この中には品質管理等更に細かく区分分けすることができます。他にも広告宣伝をしたり様々なことで費用がかかってきますね。その全工程を経て、コンビニやスーパーでお茶が買えるのです。しかも安く。
この中で一つペットボトルのお茶のラベルを例にとりましょう。
ラベルは商品の顔ですからあのフィルムに何かの印刷をしなければいけません。
メーカーは印刷会社にラベル作成の発注をします。当然ですが価格はたたかれます。とにかく安くで良い品質を求められます。
次に印刷会社は印字するための原材料(この場合フォルムとインク)を調達しなければなりません。当然飲料メーカーに価格をたたかれてるので今度はたたく側になります。良い品質のものを安くです。
また、そのフィルムやインクを提供しているメーカーはフィルムやインクの原材料を化学メーカーや塗料のメーカーから安く仕入れ・・・
というように全てに「安くで高品質なものを」というものがあります。
それは最終消費者のニーズがそうだからです。高くて高品質なものではあまり売れませんから。
■安くで高品質を求めた結果
さて、この安くて高品質なものを各企業が求めるとどうなるか?それは人件費が削られることになります。単純に低賃金で働かされる労働者という図式です。また賃金はそこそこだけど賃金に見合った仕事量じゃない、というのがあります。これも一人当たりに仕事の負荷をかける人件費カットの手法です。材料費は当然安く交渉してるのでコストカット。あとカットするところといえば人件費ぐらいですよね?もしくは人件費が高いというなら、人の代わりに機械を導入する会社もあります。今後はAIになっていくかもしれません。
ほとんどの企業はこのように、人件費を削って安くて高品質を提供しているところが多い。しかし人件費を削ると、簡単なことですが従業員に負荷がかかりすぎます。
安くて高品質は必ずどこかで無理が生じます。
あまり自分で図表等は書かないのですが、たまには書いてみました。物事を考える時に下記のようなマトリックスは非常に整理しやすい。
様々な企業を見てきて、80%ぐらいは左下です。最近は人材の確保が難しいので、辞めさせない工夫を何か考えなければいけませんね。
残り20%というのは実は高価格帯の商品を提供している企業になります。競合他社と違うことをやり、付加価値を高めて高価格で商品を提供する企業です。そしてその高価格で売れたお金を従業員に還元する。これが私から見たホワイト企業です。
たまーに、高価格で売って従業員に還元せずに経営者が搾取する、という企業もまだありますね。これが私が考えるブラック企業です。
■まとめ
ということで安く高品質を求めると必ず従業員にしわ寄せがくる。日本企業は左下から左上に移行できていないことがほとんどです。
「経営努力によってこの価格を実現しました!」なんてキャッチコピーがありますがほとんどが従業員へのしわ寄せです。
宅急便のヤマトが値上げしましたね?業界を牽引する企業がああいうことをすると、良い流れができるんでは?と思います。実情を聞くとなかなかですが・・・。
もし仕事を探してる方がこの記事を読んでいるなら、これを基準に仕事を探してみるのも良いかもしれないですね。