【書評】『大前家の子育て』大前研一著
こんにちは、ドロンパ院長です。
実は一時期本を3ヵ月で100冊読むぞ!と目標をたてて達成したことがあります。それほど本好きですので、最近読んだ本をドンドン書評していきたいと思います。基本的にビジネス書になってしまうのですが、自分の考えが凝り固まってしまわないように小説や全然違うジャンルの本も読んだりしています。

「一生食べていける力」がつく 大前家の子育て (PHP文庫)
- 作者: 大前研一
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2012/07/04
- メディア: 文庫
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ちなみにアフィリエイトはこの規模なのでまだしていません。
ということで今日はこの本。大前さんの本は大学生ぐらいの時に初めて読んで、芋づる式に何冊か読んだ覚えがあります。毎週金曜にくるメールマガジンなんかも購読していますが、非常に自分の血肉となっております。
いつもの著作とはやや離れた内容かもしれません。簡単に著者の紹介をしておくと、日立製作所で技術者として働いた後、全く畑違いのマッキンゼーという外資系のコンサルティング会社の日本支社長を何年にもわたって勤めておられました。マッキンゼーは人材輩出企業の一つで、あの勝間和代さんや、他にも本屋に行けば「マッキンゼー流仕事術」みたいな著書がたくさん出版されています。
著者は現代の学校教育に多大なる疑問を抱いており、学校エリートは本当に危険だ、という主張です。自分の子供がオール5をとるようなら心配した方が良い、とか。そしておもしろいのは著者の子供二人は
「見事に学校教育からドロップアウトしてくれて、自分で生きていく力を手に入れてくれた」
と表現しています。素晴らしい考え方ですね。全面的に賛成するのは難しいかもしれませんが、この人が言うとホンマに説得力がある。(笑)
以下、心を打たれた文章をピックアップしていきます。
エイトというみんなで力を合わせて一緒に漕ぐボート競技があるが、あれに例えると今までは「みんなで気持ちを合わせて漕ぐ」点ばかりが強調されていたが、今は後ろで舵をとる人(コックス)が最も重要な時代なのです。
エイトという競技は知りませんでしたが、とりあえずみんなでリズムを合わせてゴールを目指すという時代から、舵取りがとてつもなく大事だという時代になりました。舵取りさえできていたら、気持ちを合わせて漕がなくてもそのうちゴールにたどり着く。道が一本ではなく、何本もある。しかも何本もある道も木で隠れてたりする。自分で決めなければどうにもならない。まさに今の時代のことを端的に言い表してますね。
親が禁止すると、子供は余計やりたくなる。
これも自分が子供のことを思い出すと確かにその通りでした。屋根に登るな、ゲームは1日1時間(これ高橋名人の名言らしいですね!)、学校に遅刻するな・・・禁止されたことは全てやってましたね(笑)もうこれは子供DNAに刻まれてるのかな。ちなみに著者は子供が望めば暴走族でも飲酒でもさせる、と書いていました。さすがにドラッグをやりたいと言われたら困るでしょうが。
悩まない人間になる努力をした。
著者は経営コンサルタントなので経営の悩みを解決するのが仕事でした。結局その仕事をずっとしてて思ったのは「悩んでてもしょうがない。何も解決に向かわない。行動するしか道はない」ということだそうです。よく悩む人は悩まない人間になる努力をしてみてはどうでしょう?ちなみに偉そうなこと言ってますが、私もその努力はしたことがあります。方法は・・・書く機会があれば書きます。
学校の宿題なんかやるな、ゲームをやれ.。
もはやこれはホンマカイナ、と思ってしまいます。うちの親と同世代の著者ですが、誰しもこんな経験はあるんじゃないかな?ファミコンをやりすぎてとうとう親に隠される、それを探し出して夜中にやる。という攻防。私は親がいくら隠しても見つけるような子だったので、当時のテレビと繋ぐ線をテレビから引き抜いてそれごと隠されました。それも見つけ、テレビの裏に配線して・・・というようなことを経験してたら、テレビ裏の配線とかそういうのを自分でできるようになりました。テレビの映りが悪ければ手刀でなおすのではなく、配線をいじったりするとなおったこともありました。なんでも経験は大事です。そこまで必死になってやってたゲームを推奨するとはすごいことです。当時はゲームは悪、みたいな風潮でしたから。なぜゲームを推奨されてたのかというと
■学校の宿題は数字がちょっと変えてあるような問題を永遠とさせるような「作業」。もはやこれは「教育」ではなく「訓練」だ。
■「訓練」より、ゲームクリエイターが死ぬ気になって作ったゲームをやる方がよっぽど良い「教育」になる。
この2点だそうです。何のゲームでもそうやけど、考えてクリアしていくのが当時は多かったからなあ。
今はARとかでこういうゲームが主体なのかな。
ちなみに著者が一番感動したゲームはシムシティとのこと。やった事ある人も多いんじゃないでしょうか?市長になって町を作っていく。しかし発展していく中で必ず問題が起こる。その中でも多いのはトレードオフというもの。経営の世界でもほとんどこれが問題になってることが多いとか。トレードオフとは「こっちが成り立てば、もう一方が成り立たなくなる」といったようなこと。皆さん経験があると思います。シムシティで言えば「電力が必要なので火力発電所を建てまくってたら、公害も多くなるのでその周りに人が住まなくなる」とかですね。
そしてこの本で最も心を動かされたのはこの一節。
人生は「ファイナルファンタジー」
もうこれは感動しました。著者自身もRPGが好きらしいのですが、中でもFFは別格で、今のステージをクリアすると新たな世界がバーッと広がる。そこでまた新しい出会いがあり・・・とまさしくこれは人生そのものだ、と。いやホントその通り。今現在私は整骨院の開業準備中で、院の改装作業中です。これを私の大好きなFF4で例えるとセシルとカインがバロン城から出陣するオープニング時の心境のようです。非常にマニアックな話ですが。